もてあます [本]
川上弘美 著 『真鶴』 文藝春秋 2006.10 女性が好きな女性作家。20代女性の第1位「江國香織」、30代女性の第1位「川上弘美」。 この小説、読み進んでいくと、うっすらとした息苦しさを感じます。
おもしろかったのが、”京”の人との距離感、からだとからだの距離のとらえかたです。
と、「からだ」について意識させられる小説でした。 川上さん、食わず嫌いしてごめんなさい。
初出:「文學界」2005年2月号~2006年6月号
これは、わたしの勝手なイメージです。こんな調査があるのかどうかは知りません。まぁいくらでもありそうです。こんな結果なのかどうかも知りません。まぁそう遠くはなさそうです。
女性が好きそうな女性作家はついつい食わず嫌いになってしまうのですが、装丁に惹かれ、初めて手にした川上弘美さんの小説が『真鶴』です。
主人公の女性”京”は呼吸が浅いんです。読みながら、自分の呼吸のリズムが京の呼吸のリズムに同調してしまい、息苦しくなるのです。川上弘美の文体にはめられました。
失踪した夫”礼”との距離感、夫の失踪後ちかしい関係となった”青茲”との距離感、そして、思春期の娘”百”との距離感。
特に”百”に対する”京”の距離の感じ方は、こんな風に感じてしまうのがどこか怖いがために、子をなすことに怯えている自分自身と重なる部分があって、興味深く読みました。
きっと”京”は女としての自分のからだをもてあましているのです。そして、女の人はみんなこんな風に、もてあましているのだろうなと思います。わたし自身も同じようにもてあましているのでよくわかります。
子をなさずに女としてのからだをもてあましている30代女性であるわたしは、こんな感想を持ちました。だから、やっぱり30代女性に薦めたい一冊です。
子をなした女性や、男の人は果たしてどんな風に感じるのかしら。
こんばんわ、お元気でいらっしゃいますか?
女性が好きな女性作家、面白いですね。
「真鶴」はわたしもタイトル・表紙デザインが気になっていました。
やっぱり読んでみようかしら。
by マトリョシカ (2007-12-14 01:25)
こんばんは。思い出したように行われる更新へお越しくださり、ありがとうございます。
タイトルの「真鶴」は、まんま地名の真鶴なのですが、惹かれるタイトルですよね。amazonの画像は外箱の画像ですが、このでかでかとした明朝体がよいのかもしれません。
表紙のデザインも素敵ですよね。
ぜひぜひ、お読みになってみてください♪
by デクノボー (2007-12-16 22:42)
ことしも残り僅かです。
なんだかおもしろそうな本ですね。世代間格差は否めませんが・・・
昨今の予算不足の図書館事情ではあるかどうかわかりませんが、読んでみたい本リストに載せようとおもいます。
ひとがあたふたとしている年末に読書でまったりしてみたい。
by aki (2007-12-18 16:57)
年末年始、ゆっくりお過ごしください。
まったり読書もできるとよいですね。
わたしも半冬眠に入ります。
by デクノボー (2007-12-24 10:57)