小説家対翻訳家 [本]
出がけにかばんの中に、小川洋子著『博士の本棚』(新潮社 2007.7刊)を入れ、電車の中で読む。雑誌や新聞に掲載された書評だったり、本にまつわるエッセイだったりをまとめた本だ。
小川洋子さんの小説は大好きでおそらく全作品を読んでいるとは思うが、エッセイを読むのは初めてだった。ところが、これがあんまりおもしろくない。
なぜおもしろくないのか、よくはわからないけれど、取り上げている作品と小川さんとの距離が親密すぎるせいかもしれない。
残念ではあるが半分ほど読んだところで、リタイアすることに。そうなると帰りの電車で読む本がない。ということで、出先で1冊購入。
岸本佐知子著『気になる部分』(白水uブックス 白水社 2006.5刊)。
ニコルソン・ベイカー『中二階』やジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』などの訳書がある翻訳家、岸本佐知子さんのエッセイ集。これがめっぽうおもしろい。
電車の中で読みながら、ニヤニヤしたり鼻から笑いの息が漏れてしまったりして、隣に座る人から怪訝な顔で見られるも止められず。
小説家と翻訳家のエッセイ対決、翻訳家に軍配。
タグ:本
なるほどね、翻訳は客観的視点がかなり要求される仕事なんでしょうかね。
実際に翻訳やってる友人がいうには、「いかに自分をいれないか、でも個性を出すか、みたいな感じ」だといっていました。そう言う違いなのかしら。
それにしても公共の場所で笑える本を読んでいるときっって、どうしたらいいんでしょうねえ?
我慢するの大変です。
by snorita (2008-08-03 08:43)
>「いかに自分をいれないか、でも個性を出すか、みたいな感じ」
翻訳家さんて、こういうところすごく難しそうなお仕事ですね。
岸本さんの場合、訳す作品の選択に個性が発揮されている感があります。
>公共の場所で笑える本を読んでいるときっって、どうしたらいいんでしょうねえ?
大きく「爆笑必至」と書いてあるブックカバーを作ってみるってどうでしょう?
爆笑って書いてあるわりには笑ってないよねと思ってもらえるかも。
by デクノボー (2008-08-03 20:27)