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思春期にサウダージ [曇りの日のひとりごと]

"saudade"(サウダージ)ということばの持つ感覚はブラジル人にしかわからないとブラジル人は言う、という話をどこからとなく聞いていた。
以前、関越を走る車の窓から夕暮れの空を見て「もののあはれ」だなと感じ、そうか、「saudade」もこういうことなんだろうなと思ったことがあった。
今日本屋で手にした『サンパウロへのサウダージ』(クロード・レヴィ=ストロース著 今福龍太訳 みすず書房 2008.11)をめくったらまさに同じことが冒頭に書かれてあった。
〈サウダージ〉Saudadeという単語は翻訳不可能だ、とブラジル人はいう。日本人もまた、彼らのことばで〈あわれ〉という単語について同じことをいう。興味深いのはこれらの語にある共通性が見られることだ。
「私が思いつくようなことなんて、すでにどこかで誰かが思いついている」なんてことは、もちろん頭ではわかっていたけれど、でもどこかで"自分だけがわかっている感"があったんでしょうね。軽くがっかり。やっぱり誰かが、それもレヴィ=ストロースが語っていた。それを知らなかったのは教養の問題か。
自分だけが世界の秘密を知っていると思っていいのは思春期だけなのに。自分の思春期度の高さにあらためて嘲う。

サンパウロへのサウダージ

サンパウロへのサウダージ

  • 作者: クロード・レヴィ=ストロース
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2008/11/21
  • メディア: 単行本


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