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「波打ち際の蛍」 [本]

島本理生著 『波打ち際の蛍』 角川書店 2008.7 ¥1,300

近しい人から受けた暴力のトラウマを描いた作品の多い島本さん。
2005年刊の『ナラタージュ』は共感をもって読んだのですが、自分自身の成長の過程で少しトラウマ系の物語からは距離を置きたくなっていたため、それ以来離れていた作家です。
人に薦められて久々に手に取った『波打ち際の蛍』は、やはり近しい人からの暴力の傷を抱えた女性が主人公。

恋人から暴力を受け、それ以来男性と恋愛関係になることはもちろん、他人との親密な関係を築けずにいる麻由。通っている相談室で少し年上の蛍という男性と出会う。少しずつ親しくなっていく麻由と蛍だが。トラウマを抱えた者同士の痛々しくも切ない恋愛の物語。

トラウマにがんじがらめになり身動きが取れなくなりながらも、ある意味ではトラウマに護られていた世界から、一歩を踏み出すような静かな希望を感じさせる清らかな作品でした。
作品の雰囲気と表紙のイラストがとてもマッチしています。

波打ち際の蛍

波打ち際の蛍

  • 作者: 島本 理生
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/07/31
  • メディア: 単行本


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デクノボー

rosemaryさん、nice!ありがとうございます。
by デクノボー (2010-02-22 18:42) 

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